ここは10年前も、100年前も、1000年前も、同じ風景だった。
人類が「街」というモノを作り始めた最も初期の風景の一つ。大洪水の後に箱舟から降りたノアの息子が作った街がサナア。大洪水が歴史的事実かどうかは知らないけれど、サナアは3000年くらい前からきっとこんな感じで、今もこんな感じだ。
السلام عليكم
こんにちは
6月20日は母の三回忌でした。2007年当時は青年海外協力隊員としてイエメンに赴任中。あと半年くらいの任期を残したあたりで、母の病状がいよいよ思わしくなくなってきたという連絡を受け、色々考えた末帰国を決めました。
会う人からは「任期途中で残念だけどとにかくお大事に・・」「帰国したら仕事は・・」と仕事モードでの声かけが多い中、最も直接影響を受けるはずの職場の同僚のイエメン人は、会ったこともない僕の母のためにまず、大泣きをしてくれました。
イエメンでの仕事に一区切りをつけてからの帰国か、1秒でも早くの帰国か、仕事と心情の間で悩みましたが、「とにかく早く帰れ、母親と仕事を比べるな」と泣きながら怒ってくれのはイエメン人でした。
おかげで亡くなる1ヶ月前は付きっきりで看病でき、ギリギリの親孝行だったかなと思っています。
そういう人たちが住む国のために、恩返しになることがしたいという思いがずっと心に引っかかっていて、それで今回また国際援助の仕事でこうやってイエメンに舞い戻っています。
泣いてくれて、ありがとう、あと、産んでくれて、ありがとう、ですね。
日本で、毎日通勤電車に乗り続ける生活が続くと、便利なはずなのにすごく疲れていることがあります。イエメンでは、人々は貧しいはずなのに、明るさと優しさが必ず底にあって、ちょっと心がリセットされるような気がします。自分にとってたまたま縁あって仕事レベルで関わり合うことになったのが中東ですが、色々面白い機会をいただけて、いっぱい写真撮らせてもらって、そのお返しに援助を届ける、という今のサイクルは結構良い感じです。よーし。
--
□□◆
-Ryo Nagai-
△ブログ: http://ryo-nagai.blogspot.com/
□□□□□□◆