こんにちは
「日がなボーっと座っている男達」
という小説的な表現がアラブにはあります。
他地域のことに詳しいわけではないですが、確かにアラブでは、道ばたの至る所でただ座っている男達が多いように思います。
ただ座り、こちらが近くを通りかかると「ありがとう」「中国」「トヨタ」「東京?」「韓国」「本田?」「ヤマモトヤマ」「さらばじゃ」などと、意図が不明な単語を投げかけてきます。声掛けについては、「ヤマモトヤマ」はカイロのピラミッド近くで流行したことがあり、「さらばじゃ」はルクソールのナイル川沿いで流行っていました。
旅情はかき立てられますが、そういう所に住むという生活がいくらか経つと、
「ただ座っているだけで一体何をしているんだろう」
という疑問が湧いてきます。
その疑問を解決すべく、ただ座っている彼らを観察したことがあります。
近すぎず、かつ人間観察できるところに自分も座り、じーっと観察。彼らは座っているだけで、何をしているんだろう。
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ただ座っているだけでした。
1時間観察を続けた時点で自分自身もただ座っているだけだということに気付いて、やめました。
彼らが座るだけのことに喜びを感じ、友人との時間を持ち、あるいは一人で沈思にふけり、決して暇を持て余してウダウダしているわけではないということはわかりました。
「座って何をしているって?座っているんだよ」とのことです。
「これは弟だ。弟の友達。父。俺の息子。俺。みんなで座っているんだ。いいだろう。お前も座れ!ほら、ここ!」と言われたこともあります。座ってそれでどうするんだと思いますが、いや、座るという行為は非常に能動的で充実した時間のようです。
確かに人間観察は大変面白いです。
一人でボンヤリしている人はモスクで礼拝を済ませた人が多いように思われ、イスラームの礼拝は正座したまま聖句をつぶやいたり土下座したりと色々とやることがあるので、そういう礼拝後の休みがてら色々考えを巡らせているようにも見えます。
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-Ryo Nagai-
△ブログ: http://ryo-nagai.blogspot.com/
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