السلام عليكم
こんにちは
戦争も怖いけれど、天変地異はもっと怖い。
突然ですが、今日本にいます。1年ぶりに日本に降り立ったらどこもかしこも地震で大騒ぎでした。
イエメンの情勢不安による、国外退避です。
先日、外務省発出の危険情報が更新され、最高レベルである「渡航退避勧告」がイエメン全土に対して設定されました。通称「危険度レベル4」です。本音風に書くと「たとえどのような理由があっても絶対にこの国には行ってはいけません。旅行者及び在住者は一秒でも早くこの国から脱出して下さい」という意味です。
全土が危険度4なのは世界中でも極めて稀です。アフガニスタンやリビアは同じで、イラクですら一部で一つ下のレベル3の区域があります。
涼等は第一陣で退避。第二陣の退避組として今週中にはほぼ全ての日本人が退避し、現地の日本大使館も一時閉鎖が決まりました。あと残っているのは永住者やその二世といった極々一部の方です。
この決定を受けて、仕事の整理、車の売却、家の引き払いと引っ越しの荷造り、飛行機に何回か乗って実家まで帰還。その全てがこの1週間の間にありました。日数的には1週間未満の期間です。日本以外でも各国の在留外国人は続々と退避していて、銀行口座からの引出しが続出して全銀行が大混乱に陥っています。場所によっては銃撃戦も続いています。戦車、機銃を備え付けた軍用車両、大きい銃を持つ軍人らの姿は増えています。
今は実家の秋田にいます。
イエメンの危険度設定は、正確にいうと、予防措置です。実際に危険になる前に退避した方が良いという判断です。
イエメンも、今現在は日常生活や日常業務には全く支障がなく、平穏そのものです。子どもたちは歓声をあげながら道端で遊んでいるし、流通や交通網も全くもっていつも通り、安全です。
が、実はサーレハ大統領と反体制派との間で水面下の動きがあって、どちらに転ぶかというその風向き次第では、場合によっては、恐ろしいほどの戦乱が巻き起こりサヌアでは明日にでも火の海になるかもしれぬ、という段階になっています。
そうなる可能性が無いとは言い切れないから、念のために退避しておいた方が良い、という考えでの国外退避です。病気でも、検査や治療より大事なのは予防だというのと同じです。
実際の身の危険にされされての退避ではなく、大丈夫ですので。
イエメンは元々、北部の大部族同士が群雄割拠、南部では北に対する反感、アル=カーイダ系の過激組織であるAKAPのテロ行為、という問題を抱えています。
デモそれ自体は別に良いのです。僕は実際にそこに住んでいて情報ももらって、デモの本当の姿はよくわかっているつもりです。大統領支持デモも、反体制派デモも、参加者は食事と日当をもらっているので、テレビカメラが来たときだけ大騒ぎしているというのが実態です。場所によっては本当に危険な所もありますが、デモでただわーわーやっている分には、別に良いのです。が、テロ組織や、戦車やバズーカすら保有している大部族が世界中が注目するこの時期に、この混乱を大義名分として一気に首都に攻め込んだら、一気に戦争状態に陥ります。
もちろん、サーレハ大統領の今後の動きでアッサリ平和に戻る可能性の方がはるかに高いです。どうなっていくかは本当にわからない。
涼がやっていた「草の根・人間の安全保障無償資金協力」という在イエメン日本大使館での仕事は一旦契約解除となり、イエメンの情勢が回復し次第、再契約してまたイエメンに戻るということになります。
ということで待機中。
会う人会う人に「仕事どうするの」と聞かれるんですが、まだ消化しきれないものが多く、希望や考えは色々あるのですが、きちんと答えられる状態ではありません。
プロとして、放ってはおけない色々なものをイエメンに残してきました。
もちろん、待機があまり長期にわたるようだと、生活があるので、仕事のことも考えなければです。
それとももうフォトグラファー?喫茶店をもう始動?独立?フリー?急に舞い込んだこの時間は心と体を充電するのに時間を使おうと思います。
人生には幸運と不運が等量用意されていると聞いた事があります。それはポストカードの裏表と一緒で、「やったぜ事件」と「がっかり事件」は表裏一体で存在しています。この緊急の国外退避の裏にも「やったぜ事件」がきっとあるのだと思います。
国難の事態ですが、人間の日々の生活がある限りそれは最強の原動力となって力強く救助・救援・復興は続いていきます。
自分も自分の手の届く範囲だけかもしれませんが力になりたいと思います。とりあえず来週から東京に行ってあれこれするとつもりなのですが、また詳しくはおいおい。
帰国してミシェルに会えたのは嬉しいです。
がんばろう日本
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-Ryo Nagai-
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